【出演キャラ】
ナレーション
ソシア
ステル
スィーザ
レンファース
宮庁A
ナレーション 01「惑星モラ、第一層ラム・テラーゼ。そこは昔英雄と称された人物によって救われた世界。
美しい緑や海、色々なものが救われて今があるとされている。しかし、今何者かによって英雄に救われた地が蝕まれ始めている」
02「まず、数日前に英雄の築いた騎士たちの国、バンデが黒い炎に焼かれて滅亡したらしい。騎士たちの集う地はもう存在しない」
03「その翌日、最も古き国であり最初の人が降り立った地に生まれた国、レオドが跡形もなく消滅したという」
04「急速に広がる脅威。人びとはそれを『世の災い』と呼び、それに抗するために偉神(いしん)から命(めい)を授かった者たちがいた。」
05「これは、その者たちの描いた物語。はじまりの夢 第一話『バンデの国へ』」
ナレーション 06「惑星モラ暦3019年。第一層ラム・テラーゼ、魔術大国ジフィールの森の中」
ソシア 01「...はあ、はあっ、に、逃げ切らなきゃ。何が何でも!」
02「せめてバンデの国まで...」
(間)
ステル 01「ジフィール、いい土地です」
02「そしていい風が吹く」
SE:ドゴーン!!
ステル 03「!!な、何なんですか?!」
SE:ガシャーン!!
ソシア 03「はわわ、逃げ切ったと思ったのにーーー」
レンファース 01「待ちなさーい!!」
SE:(ソシアの転ぶ音)
ソシア 04「ひゃう!!」
05「ひゃあああん、た、助けて!」
ステル 04「ふーん」
レンファース 02「もういい加減観念し...」
02「?!」
ソシア 06「ほえ?」
SE:閃光弾系の音
レンファース 03「まぶし...!!」
宮庁A 01「何をまた!」
02「逃げた?!」
レンファース 04「また変な魔術を...」
05「あちらを捜せ!」
SE:バタバタ走り去る音
ステル 05「さあ、もういいでしょう。行ってしまいましたよ」
ソシア 07「えっと、あ、ありが」(ありがとう、の言いかけ)
SE:ドゴーン!!
ソシア 08「と?!」
SE:ざわざわ、わー、きゃー
ステル 06「ああ、時間差で爆発するようにしましたから。成功ですね」
ソシア 09「ふ、ふーん?」
10「いいのかなー、大騒ぎだよー」(モノローグ)
11「じゃ、私はこれで。助かったよー」
ステル 07「お待ちなさい」
08「追われているようですが、何かあったのですか?」
ソシア 12「何で、ってさっぱり...。私のほうが訊きたいよ...」
ステル 09「追手の服装は宮庁の物。特殊捜査に追われるとはいったい何が...」(モノローグ)
10「わからない、か」
11「まあ、いいでしょう。今なら爆発の混乱に乗じて逃げられますが、バンデに行く前にティメダに寄りませんか?」
ソシア 13「はい?」
ステル 12「ああ、何故分かったのかが不思議なのですね」
ソシア 14「うん」
ステル 13「んー、簡単なことですからね」
ナレーション 07「少年は語った。追手が少女に危害を加える可能性が皆無であったこと、現在いる場所がここから北東にあるバンデへ向かう唯一の街道であること」
08「バンデへ向かうことは追手には知られていること、であるならば爆発の混乱に乗じて東へと方角を変え、ティメダへまずは向かうことを勧めると」
ステル 14「以上ですが、質問はありますか?」
ソシア 15「つまり、計算づく?」
ステル 15「ま、そうとも言えます」
ソシア 16「ティメダって、方角が違うよ?バンデに行かせない理由は?!」
17「今すぐ行かなきゃダメなの!」
ステル 16「ふう...僕ならば、まず第一にバンデを滅亡させますから。それに、ティメダで時間を稼いでバンデに向かってもいいでしょう?」
ソシア 18「え...?あなたは...」
宮庁A 03「隊長ーーー、まだ街は出ていないようです!」
レンファース 06「街の出入り口の門を閉じよ!」
ステル 17「どうやら自己紹介している暇はなさそうですね」
ソシア 19「ほ、ほええ」
ステル 18「こちらに抜け道があります。今ならば間に合います、どうしますか?」
ソシア 20「行くよ!」
ステル 19「ふふ、決まりですね。よろしく、星の守護さん」
ソシア 21「何で知ってるのー??」
ステル 20「額に星のアザなんてあったら、バレバレですって」
ソシア 22「じゃあステルはザーナリダムからきたの?大都会だね~」
ステル 21「そうですね」
22「と、そうそう、君は...僕のこと疑いもしませんね?」
ソシア 23「え?だって本当のことでしょ?」
ステル 23「あー...じゃあ君にだけこっそり教えちゃいますけど」
24「僕は目からスープ飲んで耳から出せるんですよ」
ソシア 24「わー、すごい!今度やってやってー!!」
ステル 25「あ、あのですね。僕は...」
ソシア 25「うん、わかってるよ」
26「ザーナリダムから来た月の守護さんでしょ?右腕に月のアザ、あるんでしょ?」
ステル 26「え?...僕は!」
ソシア 27「今度目からスープ飲んでね!きゃははっ」
ステル 27「右腕にアザがあることも、月の守護であることも、言っていない」(モノローグ)
28「徴なんて、どこに出るかわからないのに。...実に興味深い」(モノローグ)
ソシア 28「そういえば、どうして第一にバンデを落とすなんて言ったの?」
ステル 29「え?ああ。あそこは人々の希望の象徴ともいえる国ですよ?」
30「過去の世界を救った英雄によって建国された国は存在自体に意味があります。それに、あそこは騎士団を擁していて力は削ぎ取る必要があります」
31「力が集うよりも早期に。...そう、今すぐに、です」
ソシア 29「嫌だ!」
30「そんなの、嘘だよ。だって、いつでも来いって、待ってるって...」(泣きだす)
ステル 32「ああ、どうしましょう。可能性のお話をしただけで...」
ソシア 31「ひゃん!」(ぐーで頭叩かれます)
ステル 33「って、あなた誰ですか!気配もありませんでしたよ?!」
スィーザ 01「いつまでも泣いてんじゃねえよ」
ソシア 32「ひゃうー」
スィーザ 02「俺に言わせれば、てめぇは誰なんだ。こいつの誘拐犯か?」
03「なんてな。さっきの話聞いてた。あんたが月の守護か」
ステル 34「は、はい?」
スィーザ 04「いい洞察力だよ。俺たちの国は滅んだからな」
ソシア 33「スィーザだー!」
34「でも、どうしてここがわかったの?」
スィーザ 05「あのなー?」
ソシア 35「ふえ?」
スィーザ 06「こーんな歩くマジックアイテムみたいなのはお前しかいないんだよ!!」
07「魔術探知で探ったらすぐわかるっつーの」
ソシア 36「ひど...ばかー!」
ステル 35「母さん、僕、この変な人たちに関わっていていいんでしょうか...」(モノローグ)
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