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ナレ 01「吹きすさぶ風、風に舞う幾多もの氷。吹雪の様相を呈してきた騎士の国バンデ」
   02「だが、その王都に降り積もる雪はない。...劫火。全てを飲み込むかのごとき渦巻くそれにより、

     滅び逝かんとする国を治める城での 出来事」


リファイド 01「まだ見つからないのか!?」

騎士A 01「...はっ。なにぶん炎が激しく...」

リファイド 02「そうか」
      03「...もうよい。お前たちは撤退しろ。西の方にまだ敵の手はない」

騎士A 02「しかし、それでは! ...王?」

リファイド 04「あいつめ、どこにいる...」
      05「できれば戻ってこないでくれ、古代神の留め金よ」


ナレ 03「そのほんの少し前のこと」


スィーザ 01「冷てぇ。やれやれ、どこもかしこも冷えちまっているか。ついでに俺も凍らせてくれるといいんだが」
     02「...そういうわけにはいかないか」
     03「俺の役目はわかっている。聖騎士となり、国を治め、古代神が現れた時にはそれを封じる」

 

ナレ 04「聖騎士になるためには、神へと信条を告げ、認められる必要がある。だが、神は彼が聖騎士になることを、認めなかった」

リファイド 06「儀式は失敗した」

スィーザ 04「何故だ。ダメなのか?許されないのか!?『国を護る』のどこが受け入れられないというんだ!!」

リファイド 07「静かに。スィーザも落ち着け。儀式はまた、おって執り行う」

スィーザ 05「くっ」

リファイド 08「スィーザ、戻りなさい!」(フェードアウト)

 


スィーザ 06「俺に国は護れない...。そういうことなのか...?」
     07「吹雪かれちゃまずいな。せめて街まで戻るか」


ナレ 05「ふと見た街が。見知った街が、燃えている。しかし、ただ燃えているのではない。黒い炎が蛇のごとくうねっているのだ」
   06「街に住む者たちの叫びが聞こえてくるような光景が目の前で繰り広げられる」

スィーザ 08「黒い、炎?...くうっ」

ナレ 07「何が起きているのか、スィーザにはわからなかった。通常の事態ではないのは明らか。黒い炎など自然のものとして

      存在しないのだから」
    08「では、何者かによって襲撃を受けたのだ。しかし彼らの地、バンデは他国との友好を約束された国である。

      侵攻を受けるはずがない」
   09「それにバンデには騎士たちがいる。彼らに何が起きたというのか。ひたすら走りながら考えたところで、何もわからなかった」

スィーザ 09「くそっ」
     10(俺が国を護るなんてことを言ったのがいけなかったのか!?うぬぼれだと?)
     11(いや、これが神がもたらしたものだとは決まっていない。神よ、真相はどうなんだ)

ナレ 10「街に辿り着く。人と思える黒い塊があちらこちらに見受けられる。その黒い塊の一つがボンといって砕け散る。視界は黒、黒、黒。

      単色で染められていた」
   11「その黒が命を得て、新しい獲物に手を伸ばそうとし、あわやというところで、スィーザは手にした剣、ファルフォスを前に掲げた」

スィーザ 12「消えろ!」

スィーザ 13「これは一体...。悪夢なんて生ぬるいな」
     14「生きている者はいないのか!!」

 

スィーザ 15「皆...父上...」

ナレ 12「城の内部もひどい有様であった。雪と同じ色合いを持った城壁も黒く焼け焦げ、日によって違う顔を見せていた今は亡き母の

      肖像も傾き、在りしバンデの国ではなかった」

スィーザ 16「このクソ炎め、消えやがれ!!」
     17「父上! ...親父!!!どこだっ!!」

スィーザ 18「生きてんなら返事くらいしろよ!!」
     19(もし、ここに親父がいたら、『敵に自分の居場所を知らせるな』と言うんだろうが)
     20「敵に自分の存在を伝えてるんだよ」

ネルガル 01「そうか」

スィーザ 21「後ろか!!」

ネルガル 02「ほう、これを消せるものがいるか」

ナレ 13「黒いものが取り巻く先に何かの影があった。それが何であるのか知覚するより...」

スィーザ 22「お前か!王都に破壊をもたらしたのは!!」

ネルガル 03「とすれば、どうする」

スィーザ 23「殺す」

ネルガル 04「そうか...。お前がこの国の次期後継者」

スィーザ 24「だから何だと!」

ネルガル 05「ふ、ふふふ。ゲルファストよ。過去より息づく『英雄』の血、その身に吸わせてやる」

スィーザ 25「ゲルファストだって!?」

ネルガル 06「お前の持つファルフォスと、どちらが上か楽しみだ」

スィーザ 26「知っててやるのか!下手すればこのあたり一帯が消し飛ぶぞ!」

ネルガル 07「それこそ俺の望むところ」

ナレ 14「ファルフォスは『ファ』=『命』を『ルフォス』=『解き放つ』もの。対するゲルファストは『ゲル』=『奪い去る』、『ファ』=『命』を

      『スト』=『吸い上げる』方法で」
    15「いかんせん相性が悪すぎる相手にスィーザの次の手が鈍る」

スィーザ 27「ちくしょ!」

ネルガル 08「馬鹿が」

(スィーザ、その場から消え失せる)

ネルガル 09「まだ誰かいるのか」
     10「ふん。誰かは知らんが、後悔するだけだ」

 

 

リファイド 09「何故戻ってきた!!」

スィーザ 28「おや...じ?」

リファイド 10「お前は自覚がなさすぎるのだ!今この場にいることが何を意味するのか、考えてみろ!!」

スィーザ 29「...すまないと、思っている」

リファイド 11「しかし、人としてはそうあって欲しかったからな」
      12「お前が神に認められぬ理由、それだけは伝えたかった」

スィーザ 30「俺が認められない理由?」

リファイド 13「そうだ。お前が国を護りたいという気持ちは本物だと思う。だがな、最も望むこと、それがある以上、神はお前を認めることは

         ないのだよ。あるいは...」
      14(神はこの国が滅ぶことを知っていたのかもしれぬな)

スィーザ 31「俺の最も望むこと?この国を護りたい以外に何があると...」

リファイド 15「いいのだよ。信条はある意味で祈りに近い。責務に追われることではない」
      16「手っ取り早く言うと、私の信条というのは、ラーサに幸せを感じさせることを、喜びを与えることを選んだ」

スィーザ 32「かあさん、に?」

リファイド 17「そうだ。私はラーサが幸せであると信じたい。今でも私が聖騎士であり続けていることが、その主たる証拠。

         そう思っていたいのだ」


スィーザ 33「俺、さ...。護りたいものはある。ずっと前からそのことを知っているようで、なんか、ちっとも俺らしくないけど...」
     34「たぶん、それで聖騎士の儀式をダメにしたのか?」

リファイド 18「そうか、神よ。偉神よ。そういうことらしい。こいつは本心を言った。認めてはくれまいか」

スィーザ 35「え?」

リファイド 19「スィーザ・ルグス・アレクス。汝、ここに聖騎士の称号を与えん。いかなる時も祝福をその身に。いかなる場でも誓約を

         その心に」
      20「神の杯はそなたに傾けられた。神の果実を捧げん!」

スィーザ 36「...お...や...じ?」

リファイド 21「ふふ、何を間抜けな声を出している。お前の信条が神に認められたのだぞ?」
      22「さあ、聖騎士の一人、誕生だ!」

 


騎士A 03「リファイド様、それよりも」

リファイド 23「そうだな。キリジュエール!!」

キリジュエール 01「はい。ここに」

リファイド 24「手筈はよいな?」

キリジュエール 02「仰せのままにいたしております」

リファイド 25「ならばよし。さて、スィーザ。ここでお別れだ」

スィーザ 37「なに、がだ?」

リファイド 26「この血を絶やすこと、それの意味するところが理由だ。別れはいつか訪れる。今であっても変わらないだろう?」

スィーザ 38「俺は!おやじ達に加勢をしに来たんだ!そしてこの国を護る!」

リファイド 27「馬鹿なことを言うな!!お前に何の力がある!驕るではない!!」

キリジュエール 03「準備、整いました」

リファイド 28「スィーザ、お前はザニアルに似すぎているからな。無鉄砲なところも。もう少し冷静に事象を見ることができるようにならねば

         いかん」

スィーザ 39「な、なんだ!キリジュエール、やめろ。やめないか!!」

キリジュエール 04「無駄です。もう発動まで時がありません。それに...皇子、あなたには成すべきことがある、お忘れですか?」

スィーザ 40「それは...」

リファイド 29「お前を転送で近くの街まで飛ばす。キリジュエール、辛い役目となるが後を頼んだぞ」

キリジュエール 05「はい、わかっております。お任せください」

リファイド 30「さらばだ!!」

 

 

ネルガル 11「まさか地下が存在するとはな。見つけたぞ、リファイド王よ」

リファイド 31「そちらからお出ましになってくれるとは、探す手間が省けたというものだ」
      32「私はバンデが国王、リファイド・ギアス・アレクス!!お前の名も訊いておこうではないか!!」

ネルガル 12「ネルガル」

リファイド 33「憶えておこう。...では、ネルガルよ。これで、終わりにしようではないか!」

 

ナレ 16「惑星モラ暦3019年風牙月15日。この日、騎士たちの国バンデは崩壊。ほどなくして、悲報が世界中へと不安と共に広まっていった」
   17「そのことが何を意味し、何が成され、何が始まろうとしているのか、まだ、世界は知ることはなかった」


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・提出音源は「wav」もしくは「mp3」でお願いします。

・第一次締め切りは、12月23日です。遅くなったりする場合は、早めにご相談ください。

・提出はアップローダーを用いて、そのURLを私宛のメール、もしくはDMにお願いします。

・提出ファイル名は以下の要領でお願いします。

【ファイル名】

スィーザ:sw   リファイド:rf    ナレーション:nr    ネルガル:ng    騎士A:kn   キリジュエール:kj

※提出の際には、上のファイル名にセリフ番号をつけたものを1つとしてください。(ex;ネルガル 12「ネルガル」のセリフを収録したものは、ファイル名『ng-12.wav』)

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